官公庁発注の公共工事を受注しようとする場合、決算期ごとに受ける必要のある審査です。経営事項審査を申請することにより、点数が付与され、点数に応じて、国、県、市町村の各自治体によりランクが決定します。点数は、工事業種毎の完成工事高(X1)、自己資本額、利払前税引前償却前利益の額(X2)、業種毎の技術職員数、元請完成工事高(Z)、その他の審査項目(W)、経営状況(Y)から構成されており、合計点数が総合評定値(P)で算出され、このP点が経営事項審査の点数になります。
その他の審査項目の内訳 ①雇用保険、社会保険の加入 ②建設業許可取得からの営業年数 ③防災活動の有無(協会加入、市町村との防災協定など) ④法令遵守の状況 ⑤建設業の経理の状況(2級建設業経理士の有無など) ⑥ISOの取得状況(ISO90001、ISO14001) ⑦若年技術者、若年技能労働者の育成及び確保の状況入札を行おうとする官公庁のランクを調査したうえで、目標となる経営事項審査の点数を決定します。会社の現状の点数と目標点数の差を確認し、事前に何点になるかを想定するのがポイントです。
目標となる点数が達成できるよう、事前に
P=X1(0.25)+X2(0.15)+Z(0.25)+W(0.15)+Y(0.2)の計算式により点数をシミュレーションします。 Y点(決算書) X1 純支払利息比率 (支払利息-受取利息配当金)/売上高×100 X2 負債回転期間(流動負債+固定負債)/(売上高÷12) X3 総資本売上総利益率 売上総利益/総資本(2期平均)×100 X4 売上高経常利益率 経常利益/売上高×100 X5 自己資本対固定資産比率 自己資本/固定資産×100 X6 自己資本比率 自己資本/総資本×100 X7 営業キャッシュフロー(絶対額) 営業キャッシュフロー/1憶(2期平均) X8 利益剰余金(絶対額) 利益剰余金/1憶P点アップのためには、様々な方法が考えられますが、まずは現状を正しく認識し、加点対象になっているもので漏れがないか確認します。当事務所で見直しをした案件の中には100点以上点数がアップした事例もあります。