公開日:2021.11.19 最終更新日:2022.05.11
令和3年10月15日、国土交通省の中央建設審議会の会議において、経営事項審査の改正についても検討がされました。
1.改正の趣旨
この経営事項審査の改正は、建設業界における課題である「担い手の育成・確保」「災害対応力の強化」「環境への配慮」に努めている企業を適正に評価することで、更にその取組を推進していくことが狙いです。
2.具体的検討内容
以下の通り、経営事項審査における評価対象の拡大について検討されています。
(1)担い手の育成・確保へ取り組みの評価
・CCUSを現場で導入している元請企業を評価
・WLB(ワークライフバランス)への取組状況を評価
「くるみん認定」「えるぼし認定」「ユースエール認定」等が評価対象候補として提案さ
れています
(2)災害対応力強化への評価
加点評価される保有建設機械の範囲の拡大
現在、「ショベル系掘削機・トラクターショベル・ブルドーザー・移動式クレーン(つり上げ荷重3トン以上)・大型ダンプ・モーターグレーダー」の6機種が加点対象とされていますが、加点対象ではないものの、ロードローラーや建柱車など災害対応で活躍する建設機械が他にもあるとの声があるため、評価対象の拡大が検討されています。具体的には業界団体へのアンケート等により実態を把握したうえで検討される予定です。
(3)環境への配慮への評価
ISO14001に限らず、環境への配慮に関する認証を取得している場合に加点することを検討
例として、「エコアクション21」等が検討対象として挙げられています。「エコアクション21」は中小企業の負担に配慮した内容で比較的取得がしやすく、各都道府県の競争参加資格審査で加点する動きも広がっています。
(4)その他
現在は監理技術者講習受講者の専任の監理技術者として配置可能な期間と経営事項審査上加点可能な期間にズレが生じていますが、改正後は専任の監理技術者として配置可能な期間は経審においても加点可能となるよう検討されています。
改正の時期や、正式な改正内容については検討段階ですが、詳細判明次第追ってお知らせします。