建設業許可取得に強い行政書士法人TSUBOI A.P. 建設業界フルサポートサービス(名古屋・愛知・岐阜・三重)

ブログ・新着情報

公開日:2022.02.01

アスベスト工事に関する規制が強化されました②【令和3年4月の改正】

今回は令和3年4月に行われた改正について取り上げます。改正されたのは以下の6点です



1.事前調査と調査結果の保存


工事対象となるすべての部材につき、石綿が含まれているか否か設計図書及び目視で事前調査し、調査結果を3年間保存することが義務化されました。(※さらに令和4年4月以降は調査結果の電子システムによる届出も義務化されます。)

また、調査結果の写しを現場に備え付け概要を見やすい箇所に掲示することも義務化されています。調査方法についても明確化され以下の様に定められています。

●「目視」とは単に目で見るだけでなく、現地で部材の製品情報などを確認することを言う
●事前調査で石綿含有の有無が不明な場合は分析調査の実施が必要(ただし、石綿含有だとみなし、ばく露防止対策をすれば分析は不要)
●石綿含有がないことの確認方法は以下のいずれかによらなくてはならない
・メーカー成分情報や証明などと照合
・製造年月日が平成18年9月1日以降であることを確認
●以下の確認ができた場合は目視等によらなくてもよい
・過去の事前調査結果の確認
・着工日が平成18年9月1日以降であることの確認
●石綿飛散リスクが低く調査不要となるケース  
・木材、金属、石、ガラス、畳、電球等の石綿が含まれていないことが明らかなものの工事で、除去時に周囲の建材を損傷させるおそれがない
・工事対象に極めて軽微な損傷しか及ぼさない
・新たな材料を追加するのみの作業
・石綿不使用であることが確認済みの特定の工作物の解体・改修作業



2.計画書提出の範囲が拡大

計画届の提出対象がレベル2建材まで拡大されました。
(工事開始の14日前までに提出する必要があります)



3.吹付石綿・石綿含有保温材等の除去工事に対する規制

・隔離場所の集じん・排気装置に設置場所など何らかの変更を加えたときにも、排気口からの石綿等の粉じんの漏洩の有無を点検
・作業中断時にも隔離場所の前室が負圧に保たれているかを点検
・除去工事終了後、作業場隔離を解く前に資格者による石綿の取り残しがないことの確認


「取り残しがないことの確認ができる資格者」は下記の通りです
・除去作業の石綿作業主任者
・事前調査を実施する資格を有するもの
(令和5年10月から事前調査も資格者が行うことが義務化されます)

事前調査については、資格者についても含めこちらの記事で詳しくお知らせしています
⇒ アスベスト工事に関する規制が強化されました③【今後の改正予定】


4.石綿含有の仕上塗材の除去工事に対する規制

石綿含有の仕上塗材をディスクグラインダーやディスクサンダーを用いて除去する工事は、作業場を隔離する必要があります。
※ただし、高圧水洗工法・超音波ケレン法等は作業場所の隔離は不要
※吹付石綿・石綿含有保温材等の除去工事とは異なり、作業場を負圧に保つことは不要


5.写真等による作業の実施状況の記録

以下の内容が確認できるように写真などにより記録し、3年間保存することが義務化されました。

(1)事前調査結果の掲示、立入禁止表示、喫煙・飲食禁止の掲示、石綿作業場である旨等
の掲示状況
(2)隔離の状況、集じん・排気装置の設置状況、前室・洗身室・更衣室の設置状況
(3)集じん・排気装置からの石綿等の粉じんの漏洩点検結果、負圧の点検結果、
   隔離解除前の除去完了確認の状況
(4)作業計画に基づく作業の実施状況(湿潤化の状況やマスク等の使用状況も含む)  
(5)除去した石綿の運搬または貯蔵を行う際の容器など、必要事項の表示状況、保管
の状況
(6)作業従事者および周辺作業従事者の氏名及び作業従事期間(こちらは文書による記録で可)

記録については写真のほか動画による記録も可能ですが、撮影場所や日時が特定できるようにしなくてはいけません



6.労働者ごとの作業の記録項目の追加

40年の保管義務がある労働者ごとの作業記録に以下の項目が追加になりました。

(1)事業者の名称、住所、電話番号、労働保険番号、現場住所、工事名、概要、工事期間
(2)事前調査の終了年月日、事前調査の実施者氏名等
(3)工事対象の建築物・工作物の着工日及び構造の概要
(4)建築物解体工事の場合は床面積、その他の工事の場合は請負金額
(5)石綿作業主任者の氏名
(6)事前調査結果の概要(材料ごとの石綿使用の有無、判断根拠)
(7)作業の種類・切断などの作業の有無・作業時の措置
(8)作業の実施状況の記録の概要(保護具の使用状況も含めた措置の実施状況について文章等で簡潔に記載して記録)

※尚、上記のうち(1)から(7)は令和4年4月改正時に開始される「事前調査結果の電子システムによる届出」で報告が必要となる内容と同一です。


関連記事はこちら

アスベスト工事に関する規制が強化されました①

アスベスト工事に関する規制が強化されました③【今後の改正予定】



石綿規制強化 | 石綿作業主任者 | アスベスト工事 | 石綿除去 | 石綿含有確認 | 石綿障害規制強化

建設業新規許認可申請のことなら!お任せください!TEL.052-950-3355またはお問い合わせフォームから