公開日:2021.08.27 最終更新日:2023.01.24
建設業においては
「公共性のある施設若しくは工作物または多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事」
を請け負う場合、原則として、主任技術者や監理技術者を現場ごとに専任で配置しなくてはいけません(建設業法第26条第3項)
では、具体的にはどのような工事かというと、
「工事一件の請負代金の額が4,000万円(建築一式工事の場合8,000万円)以上となる個人の住宅を除くほとんどの工事(※1)」
を指します。(建設業法施行令第27条)
(注)令和5年1月1日より上記金額へ緩和されました。 詳しくはこちら
上記に該当する工事の場合は、原則として主任技術者又は監理技術者を工事現場に専任で配置し、他の建設工事の主任技術者・監理技術者と兼務させることはできません。
(※「近接した場所の密接した関係にある工事における主任技術者や、「特例監理技術者制度」における監理技術者等一部例外があります)
(※1)「ほとんどの工事」に該当する建設工事の概要
① 国又は地方公共団体が注文者である施設又は工作物に関する建設工事 ② 鉄道、軌道、索道、道路、橋、護岸、堤防、ダム、河川に関する工作物、砂防用工作物、 飛行場、港湾施設、漁港施設、運河、上水道又は下水道に関する建設工事 ③ 電気事業用施設、ガス事業用施設に関する建設工事 ④石油パイプライン事業法第五条第二項第二号に規定する事業用施設、電気通信事業の用に供する施設、基幹放送局提供事業者が放送の用に供する施設(鉄塔等)、学校、図書館、美術館、博物館又は展示場、社会福祉事業の用に供する施設、病院又は診療所、火葬場、と畜場又は廃棄物処理施設、熱供給施設、集会場又は公会堂、市場又は百貨店、事務所、ホテル又は旅館、共同住宅、寄宿舎又は下宿、公衆浴場、興行場又はダンスホール、神社、寺院又は教会、工場、ドック又は倉庫、展望塔に関する建設工事 |
補足 「併用住宅」(=住宅兼事務所、住宅兼病院)の場合、以下①②の条件を両方満たせば請負金額が7,000万円以上(建築一式)であっても専任配置は不要とされます。
① 事務所等の非居住部分の面積が延べ床面積の1/2以下
② 請負代金の総額を居住部分面積と非居住部分の面積比に応じて案分した額の、非居住部分に該当する請負金額が7,000万円未満
出典:中部地方整備局
注:図中「技術者の現場専任」欄の3,500万円⇒4,000万円、7,000万円⇒8,000万円へ緩和されています
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