公開日:2023.05.31
一括下請負に該当する疑いがあると判断された場合「実質的に関与」している事の確認は具体的にどのように行われるのでしょうか?
⇒まず、元請負人の主任技術者又は監理技術者に対して聞き取り調査が実施され、その回答によって判断されます。必要に応じて、下請負人の主任技術者等からも聞き取りが行われます。
「一括下請負に関する点検要領(中部版)」によれば、主任監督員(※)が一括下請負に関する点検を実施した結果、一括下請負に該当する疑いがある場合、当該工事を所掌する事務所の副所長等に報告します。その報告に基づき、当該工事の事務所は、まず、当該元請負人の主任技術者又は監理技術者に対して聞き取り調査を行います。
※主任監督員とは
現場監督総括業務を行う者で、当該工事を所掌する事務所の出張所長又は工事を担当する建設監督官を事務所長が任命した者のことです。
具体的にどのような作業を行っているのか、その請け負った建設工事の施工管理等に関し、十分に責任ある受け答えができるか否かがポイントとなります。
また、必要に応じ、下請負人の主任技術者からも同様のヒアリングを行います。
その場合、元請負人が作成する日々の作業打合せ簿、それぞれの請負人が作成する工事日報、安全指示書等を確認して、実際に行った作業内容を確認します。これらの帳簿の中に、具体的な作業内容が記載されていない場合、又は記載されていても形式的な参加に過ぎない場合等は一括下請負に該当する可能性が高いと判断されます。
参考までに、公共工事において中部地方整備局が定めている「一括下請負に関する点検要領」の実質的関与に関するチェックリストが下記の表となります。
「一括下請負に該当するのはどんな時?」シリーズ記事はこちら
【ケース1:請負った仕事を、中間利益を取らずに他社に回した場合】
【ケース2:工事の主たる部分を下請けに回したが、自社の技術者が施行の管理等を行う場合】
【ケース4:下請にすべてを任せたが、資材調達は自社で行った場合】
【ケース5:工事の主たる部分を一括して請け負わせている場合】
【ケース6:大規模な工事で一次下請けと共同で施工管理する場合】
【ケース7:隣接工区で同じ工事をしている業者に自社が請負った工区の工事も請け負わせる場合】
【ケース9:施工技術の認定やマニュアル作成は行っている場合】